リスクヘッジは、元々は金融機関で使われていた言葉だったと思う。今はさまざまな分野の企業で使われている。失敗した場合の最低限のリスクを回避するということは、プロジェクトなどを立ち上げる時は、本来とても需要な事である。
でも、何か事を始める場合、大概イケイケムード満載で、失敗したら?ということはあまり考えたくないものである。マイナス的な事を考えるより、プロジェクトの成功を期待しがちである。
これは個人の生活も同じ。趣味であるトレイルランも同じ。身の安全は分かってはいるけれど、コースをより速く疾走出来るのかが優先になってしまう。
トレイルランの場合、ロードランより不整地、山という人里離れた場所のため、転倒による怪我、道迷い・遭難というリスクが格段に多い。突然の病で倒れても病院までの搬送に時間がかかる。
でも、リスクばかり考えていたら何も出来ない。企業も人間もチャレンジするから成長するのである。チャレンジや冒険を止めることは出来ない。
トレイルレースで知っている死亡事故は2007年のハセツネ。その他にもあるのかも知れないが自分は知らない、か忘れている。
ちょうど今年はハセツネの滑落事故から10年経った。今はハセツネの事故現場はルートから外れている。レースや試走で通る時は必ず事故現場の方向に向かって合掌するようにしている。自分の中ではインパクトの大きい事故だった。
今回、滑落した方も何かの拍子だと思う。不運としか言えない... 誰にでもあり得ることだし、自分だったかも知れない。
プチ滑落を経験したランナーは多いだろう。自分もある。転倒は数え切れない。たまたま身体と地面が近いだけで、転倒による痛みだけ。ナイトランで切れている方に向かって、ハッとしたことも一度や二度ではない。
今回の事故があったことで、改めて自分を戒めるのも...なんか心苦しい。でも、身の安全を守ることは、速く走ること以上に大切ということを再認識せざるを得ない。
くも膜下で倒れているので他の人よりは意識が高いはずだけど、自然と風化・流れてしまうのである。
昨日の帰宅後、イオンモールの市役所の出先機関でウォーキングマップをもらって来た。どこの市町村もこの手の地図はあるものである。
このウォーキングマップ通りのルートを物思いに更けながら走るのである。
歯医者で麻酔を打たれて治療後に出発。でも、麻酔のインパクトがどれだけあるか分からないので、麻酔の効きが終わるまでは歩いた。
そして、歩きながら先ほどの事を考えてた。
奈良時代710年に創建された古刹、眞福寺。
近くをマイ山の神社の須賀神社奥の院を通ったので、今年一年のレースでの無事を報告する。
14kmを2時間8分。
実は昨日、あまりにも不甲斐ない走りだったので、今度こそは本当にレースを止めようと思った。事故のこともあったし。
でも、いつものように...だけど、再チャレンジしようと決めた。